まんぷく第29話の感想「あなたの人生を生きて」

克子(松下奈緒)の夫の忠彦(要潤)が無事戦地から帰ってきました。そこに泥棒を働いて改心した神部(瀬戸康史)も居座って、福子(安藤サクラ)たちの周辺はにぎやかです。

 

 

忠彦は戦争中、敵の照明弾の灯りを間近で受けたため色覚がおかしくなり、もう絵が描けないと言います。病院に行こうと言う克子に、軍医にももう戻らないと言われたと忠彦は知らせます。

 

 

鈴(松坂慶子)は忠彦が画家を辞めてまともな職についてくれると喜びますが、福子も克子も忠彦は画家としての才能あふれる人が、辞められるわけがないと信じているようです。

 

 

きっと色が正確に理解出来なくても、そこから生まれる絵がきっとありますよね。忠彦の画家としての復帰を待ちましょう。

 


神部は実は大阪の帝大出で、子どもたちに勉強を教えるなどして、今は忠彦のアトリエで寝泊まりしています。

 


こうしてみると。戦争のせいで、忠彦は加賀の才能を奪われ、神部は帝大まで出ているのに、たった一人の母を亡くし、泥棒まで身をやつしています。色んなものを人から戦争は奪って行ったのですね。

 


夏の終わった戦争ですが、冬のなっても闇市は盛況です。その中でハーモニカを吹いて小銭を稼いでいる男がいます。その男に見覚えがある萬平(長谷川博己)に、福子も覗きこみます。

 


なんと萬平に罪を擦り付けて逃げていた加地谷(片岡愛之助)でした。福子は加地谷のせいで、萬平がとんでもない目にあったことが許せず責めます。

 


しかし当の萬平は福子をなだめ、もう憲兵の居ない事で許すも許さないもないと言います。萬平さんはなんともお人よしですね。

 

 

加地谷も自分がなぜ萬平に全て押し付けたのか、今となっては嫉妬に狂った自分が判らないと後悔の念を見せます。

 

 

すっかり自信を無くし、生きる気力すらなくなった加地谷は、今後も陰に潜んで生きていくと言いました。

 


いったん加地谷と別れた萬平はそんな加地谷に、もう許せないという恨みつらみは無くなっていると福子に言います。

 

 

萬平は神部に伝言とある物を渡すよう頼みごとをします。闇市で相変わらずハーモニカを吹く加地谷に、神部が訪ねてきます。

 


そして「諦めないでどうか生きてください」と言う伝言と共に、萬平が作った「加地谷」と彫ってあるハンコを渡しました。

 

 

人が自分である証明であるハンコに、明るい場所で生きてほしいという萬平の願いを感じた加地谷はハンコを抱えて涙するのでした。

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